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【展覧会情報】アーティゾン美術館「アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ」「ダムタイプ|2022: remap」「石橋財団コレクション選 画家の手紙」

当ブログのテーマと同じタイトルの展覧会が京橋のアーティゾン美術館にて開催中です。

展覧会名は「アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ」。

 

「アートを楽しむ〜」を含めた3つテーマの展覧会が同時開催されています。

 

建物6階の「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

5階の「アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ

4階の「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 画家の手紙

の順でまわれます。

 

ダムタイプ|2022: remap

まずは6階のダムタイプ

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ダムタイプはビジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループです。1984 年の活動開始以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続けてきました。

本展覧会は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で展示された新作《2022》の帰国展として、アーティゾン美術館の空間にあわせて再構成したものです。

先日亡くなった坂本隆一さんも、この展覧会のプロジェクトメンバーでした。

 

展示は、光や音を見て、聞いて、空間ごと体感するインスタレーションです。

暗い展示室に配置された地図や言葉、世界各地の街角のノイズが、世界中の都市を想像させます。

ゆっくりとダムタイプの世界観に浸れる、落ち着いた空間でした。

 

アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ

お次は「アートを楽しむ 」展。

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アーティゾン美術館で展開されてきた様々なラーニングプログラムの成果をもとに、厳選された所属作品がひと味違った展示方法により紹介されています。

主に絵画作品が丁寧な解説やとともに展示されていて、作品についての理解を深め、体感しやすい展示になっています。

 

本展覧会は

肖像画のひとコマ ―絵や彫刻の人になってみよう」

「風景画への旅 ―描かれた景色に浸ってみよう」

印象派の世界を体感する― 近代都市パリの日常風景」

の3つのセクションで構成されています。

 

1. 「肖像画のひとコマ ―絵や彫刻の人になってみよう」

このコーナーでは、17世紀オランダの画家レンブラント・ファン・レインから、美術家の森村泰昌青木繁の《海の幸》に触発されて作成した《M式「海の幸」》まで、さまざまな肖像画が展示されています。

 

青木繁の《海の幸》と森村泰昌の《M式「海の幸」》

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19世紀フランスの画家エドゥアール・マネの《自画像》の横には、マネの写真が展示してあります。

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小出楢重 《帽子をかぶった自画像》の絵の横には、作品をイメージした空間が用意されています。作家と同じように、帽子やイーゼルなどの小物を持って鏡の前に立ってみることもできます。

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2. 「風景画への旅 ―描かれた景色に浸ってみよう」

風景画を通して世界中を旅しよう、というコーナーです。絵に描かれた場所についての知識がパネルで紹介されていて、詳しく知ることができます。

 

クロード・モネ 《黄昏、ヴェネツィア》は、フランスの画家クロード・モネが67歳のときに、旅先のイタリアの都市、ヴェネツィアで見た風景を描いた作品です。夕日に染まる海に浮かぶのは、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会。教会の向こう側に沈みゆく太陽の燃えるような光が、空、水面、教会を輝かせています。

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3. 「印象派の世界を体感する― 近代都市パリの日常風景」

こちらでは、近代都市パリの情景を描いたベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》とギュスターヴ・カイユボットの《ピアノを弾く若い男》が中心にとりあげられ、時代や社会的背景、作品に込められた画家たちの思いとともに紹介されています。

 

ギュスターヴ・カイユボット《ピアノを弾く若い男》のそばには、絵に描かれたものと同じエラール社のグランドピアノが展示されています。

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各作品やテーマについて詳しく紹介した冊子が無料で配布されているので、ぜひお手に取ってみてください。

また、アーティゾン美術館の公式アプリをダウンロードすると、無料の音声ガイドを聞くことができます。

 

石橋財団コレクション選 画家の手紙

最後は「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 画家の手紙」です。

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石橋財団コレクションの中から、坂本繁二郎ら近代の画家の手紙にまつわる作品、あるいは手紙そのものが展示されています。

重要文化財である藤島武二《黒扇》もありました。

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3つの展覧会はそれぞれ見ごたえがあり、一点一点の作品がさすがのクオリティなので、時間をかけてゆっくり見るのがおすすめです。

私は1時間半で全てまわりましたが、もっといてもいいと思いました。

 

 

【開催概要】

www.artizon.museum

5月14日(日)まで。